切れ痔の手術について
当院では、まず「痔」に対し、保存的治療を行うことを原則としており、切れ痔の治療でもこれは同様です。特に切れ痔では保存的療法が効果的です。規則正しい排便習慣や、食生活の改善といった「生活療法」で症状を悪化させないようにする治療を中心に、補助的な「薬物療法」である座薬や軟膏の局所治療と内服治療で症状を和らげます。
ただし、慢性裂肛で肛門ポリープや見張りイボを伴う場合、完治には手術が必要なケースもあります。また、肛門狭窄が重度の場合は、根治のためには手術が必須です。
用手肛門拡張術
慢性化した切れ痔で肛門括約筋が過度に緊張し、激しい痛みが起こっている時に行います。麻酔を施した上で指を使って肛門を拡げ、肛門括約筋の過度の緊張を緩め、症状を改善します。日帰り手術で受けられます。
裂肛切除術、肛門ポリープ切除
慢性化した切れ痔が深く溝のようになっていて治りにくい状態に行います。裂肛切除術で切れ痔を切除し、治りやすい形に整えます。肛門括約筋の緊張が過度な場合には、側方皮下内括約筋切開術(LSIS)手術も同時に行い、切れ痔の慢性化を改善します。また、肛門ポリープや見張りイボが併発している場合は、手術中にそれらの切除も行います。
皮膚弁移動術(SSG)
慢性化した切れ痔は線維化・瘢痕化(はんこんか)を起こします。裂肛切除術でこうした部分を切除し、切除した後の欠損部分に近くの皮膚を移動させて、覆いかぶせて治療します。これにより、肛門の狭まりが改善するため、慢性切れ痔の症状も改善します。日帰り手術で受けられる場合と、入院が必要な場合があります。
手術費用について
切れ痔の治療は健康保険や国民健康保険が適用されます。
症状などにより異なりますが、目安となる金額をご紹介します。
3割負担の場合の費用です。
手術内容 | 手術費用 |
---|---|
切れ痔の手術 | 約20,000円~約30,000円 |